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World Lighting Fair 2004

 2年に一度の照明の祭典、ライティングフェアが今年も、パシフィコ横浜国際展示場にて開催されました。 今年は各社ムービングとLEDなど時代の流れを踏んだ製品の出展が中心であったように思います。 また今回は松村電機が出展を見合わせ、他の国内メーカーからもこれと言って特に目新しいものは殆ど出ていませんでした。 国内メーカーの勢いがない代わりに、ムービング系代理店などの元気が良く、本格的にムービングの時代がやってきたなという感じを受けました。 それでは今年も懲りずに勝手気ままなレポートを書いてみます。


シンボルタワー

活躍する5人の照明デザイナーが音楽に合わせてシンボルタワーを染めるという面白い企画が今回の目玉。これサイコーでした。1日目はHOG2、2日目以降はHOGPCでやってました。タイムコード拾って自動演出だったような?

パトリック・ウッドロフ ・・・「絶妙な色使い。繊細な動き。打ち込んだHog使い原さんがすごいのか!?」

原 太郎氏 ・・・ 「和!!」

Hudson,Ngan Hoi Cheung ・・・ 「ふつう」

Zhao Tingting ・・・ 「う〜ん、繊細というより女性の力強さを感じましたw」

一柳 忠彦氏 ・・・「BonJoviで。派手な動き、100キュー!アオリまくりですごすぎ。さすがFLT!」



TELMIC
LEDの展示でしたが、注目すべきは、新技術の「UMU技術」。瞬間調光ガラスといい、普段は曇ったガラスですが、電気を流すと透明になり、透明度を調光できる。写真を見ると透明部分と不透明部分が分かると思います。LEDとUMUをGrandMA Lightで制御。
現在、舞台での実用例はGacktのツアーで使用。ステージ前面に調光ガラスをはり、映像と実物の切り替えによる演出を行なっている。


日本フィリップス
1200Wまでのメタハラを展示。現在注目されている新光源「セラミックメタルハライドランプ」の出品もあった。この光源は、石英ガラスを使う事で、従来ディスチャージ球では出せなかった、3200Kという低い色温度で発光する放電型のランプです。光源ガラスがフロスト状に加工されているので点光源で光を出すムービングなどで使用するには、リフレクターなどを大きな物に変えるなど加工が必要になるため、現在の所、ムービングの光源としては使用されていませんが、フィリップス始め、これまで主力だった6700K前後の色温度のランプを意図的に市場から消している傾向が見受けられるので、ムービングライトの光源がセラメタに置き換えられる日がくるのもそう遠くないはずでしょう。


冨士電球・冨士ライト商事
現在最も注目されているセラメタの展示。150〜400Wまでを参考出品していた。実際には現在575Wまで開発に成功している。若干ではあるが調光も可能。放熱はハロゲンの1/6程度。
フィリップスが3200K°に対して、冨士電球は4000K°に設定している。フィリップスのものは人によっては赤みが強すぎると感じるらしく、冨士電球のランプは確かに実際の明りを見ると赤すぎず、青すぎず、ちょうど良い感じの色になっていました。車の展示会などで使用すれば、車体の色も綺麗に見えるでしょう。


KUPO JAPAN

先日日本に代理店が出来たばかり。大元は台湾の会社。
基本的にはライトのスタンドやハンガー、ロケーションライトなどのアクセサリー類を中心に取り扱っています。PARライトやブラインダーなどもあり、格安機材を販売する会社です。最近はサウンドハウスやらプロフューズなど安いPARを販売している会社は多いので、生き残りができるかどうか見ものです。



USHIO ライティング

ウシオユーテックがライティングに合併したため、これまでユーテックが扱っていたカタリスト(DL1)システムやムービングと、ウシオライティングのランプ光源、両方を展示。
DL1(ムービングプロジェクタ)をタイムコードを拾ってHOGVで制御していました。前回に比べてブースが小さくなっていたのが気になりますが、高い出展料を払ってこれに出るのも大変なようです。



イースペック

左写真
パソコンベースで動作する操作卓SUNLITE。20万を切りながら、ライブ、完パケSHOWなどに威力を発揮。即興ライブやクラブイベントにぜひ一台!この卓をメインにし、照明だけでなく音楽、ビデオ映像と同期させ、自動演出も組める。

右写真
PearlRiverという中国広州は珠江にあるムービングメーカー。近年力を伸ばしており、150W〜575Wまでラインナップ。去年初めて1200Wの高機能ムービングヘッドを発表。日本では関西を中心にクラブレンジでこれらの製品群が使用されている。他に中身をくり抜いて、内部にレーザーユニットを詰め込んでも販売されている。30mW〜80mWくらいを中心に。



Sound Farm

トラスは一切使わず、竹やぶの中にカフェがあった。製品はドイツブランドのFuture Lightシリーズ、また国内新投入のJB-Lightingはヨーロッパでは珍しくドイツ国内で生産されており、価格は若干高いが信頼性はある。
同じくドイツのPC卓「E:CUE」は、音響、映像、LEDなどすべてのシステムをパソコンでトータルコントロールするために設計されているが、もちろん舞台でも充分使用できる。もともとは建築照明の流れから来ている卓ですが、現在はムービングとLEDの制御が簡単にでき、ムービング卓の分類に入る。



Profuse

中国のTerblyというムービングライトメーカー。外国の展示会などにはGolden Sea DiscoLightという販売代理店の名前で出てきている。設計図を中国国内の様々な工場で共有しているため、全く同じ形のものが多数存在している。性能、耐久性には若干の不安が残りますが安いので。。。今回展示の製造工場は本家Terblyかどうか怪しいですが、同じ設計図のはずです。
調光卓はBOTEXという香港にあるメーカ。調光関係のみならず、裏アイテムで欧州製ムービングライトなどの製造も手がけている。一流ブランドメーカーに比べると、信頼性は劣るが、中国の中で見ると性能はトップクラス。卓は日本販売価格で2万〜5万程度。



UCM

ここもTerbly系のムービング扱ってます。主力は中国製レーザー。
関西にある会社でクラブ関係に強い。 Terblyなのに価格が若干高いのが気になりますが、まぁ色んな種類の製品があって面白かった。



ステージインスツルメンツ

イタリアSGMの日本総代理店。400Wのムービングを主力で吊ってあった。今回はカッター付きのモデルが展示してあった。カッターの動きはいまいちだが価格面も含めトータル的には結構良いかもしれません。
調光卓RegiaはLive、Opera、Proの3種類があり、同一ソフトで動きます。データは完全互換。ムービングに主力が置かれている。価格は200万。その価格の割には造りがプラスティック丸出しで安っぽい概観なのは残念。WLF数日前に入ってきたものらしく、色々質問したが、殆ど分からない状態だった。でも2年前も出てたよな。確か。。。



Artistic License

LEDパネルをトラス吊して、派手な演出をしていた。展示内容も90%はLEDが占めており、主に施設、店舗用に設計された器具が多かった。舞台では勝てないので、プロトコルと建築照明で勝負する方向性のようだ。Art Netはどうなんだろう?各社メーカー一応乗ってきているようですが。。。



Jemco

CLAY PAKY(伊)の代理店を勤めるジェムコ。Mini Scan HPEの後継機種、「HP3」を展示してあった。PAN・TILTにFINEのパラメータが追加され、16BIT制御が可能になった。
CLAY PAKYはこれまで「Stage Zoom」という1200Wの高機能ムービングが主力だったが売れ行きが良くなかったようで。今回はstage zoomを越える機能を詰め込んだムービングをランプ出力を抑えた575Wを採用し発表した。中身はXspot並み!価格も90万前後と驚異的な値段で勝負してきている。素晴らしすぎる。これからはそういう機材が必要だ!



東芝ライテック

DL1が4200ANSIに対して、昨年出していたAV-4では3000ANSIルーメンと負けていた。そんな中、逆に小さくして店舗や会議室用にコンセプトの路線変更を思い切って行なってきた。また、動画をメモリーカードに入れて、卓側からはワイヤレスでCUE番号を送るだけで再生できる方式になったのは革新的な進歩です。
純粋国産ムービング卓は素敵です(笑)



丸茂電機

丸茂の新しい卓「プレルーチェ」。名前は親しみやすいですね。20シーンボタン+10ページ=200シーン。その他、サブマスターが10本(ページ切替なし)。チェイス3パターン。宴会場や公民館用に作られた卓らしいが、丸茂は高校演劇などで使われるTZやLightingボードなどマニュアル卓の次はいきなり劇場用の軍艦卓になってしまうので、メモリー付きで手軽に演出ができるこの卓はちょうど良いです。本体のみの価格で220万という事なので、学校演劇関係にはいい感じです。 その他、ゼムツアーの新型が出ていた。見た目が良くなっただけか?一般照明はどーでも良いのですが、リクリの色焼け実験結果表。あれは大笑いしました。ブルーが軒並み1分って。。。



松下電工

国内メーカが今までできなかった3Dビジュアライザーを自社開発したらしい。アプリ自体の重さは不明だが、シンボルがWYG、Captureなどに比べると格段に細かい所まで手が込んでいる。また注目すべきは、他の国内メーカーがまだ手を出していないネットワーク「Pathway」を採用している点である。ビジュアライザーと卓「パコリス」をPathwayで結び、同期させている。Passportプロトコルに乗ってる海外メーカーって少ないように思うのですが、なぜにpathwayなんでしょう?
ムービングを人間の音声で認識させ動かすシステムを今回の売りで出していたが、「Group11!」と言ったら何故かグループ21が選択された。。。
「ムービングを知らない会館などで簡単に扱えるように。。」がコンセプトらしいが、それでも手打ちした方がよっぽど迷いが少ないと思いますがね。 2年後には果たして展示されているのでしょうか(w?



VARI*LITE ASIA

前回金が掛かりすぎたので、規模を縮小したらしい。目玉製品は1200Wショートアークを光源とするVL3000。明るすぎ。他メーカーの1200W型と比べても圧倒的に明るい。しかしバリは高いですね。 その他、VL1000、VL2202などが展示してあった。VL2202の中身を開けて見せてもらったが、一般的なムービングに比べ、カラー、ゴボホイールがかなり小さかった。光量をとるか、ホイール回転のスピードを取るかというところですが、VL2202はスピードを取っているようなので、専用プロトコルで出力できるVirtuoso卓と組み合わせることで、驚異的な速さのカラーフリッカーが可能になっているようです。



ファーストエンジニアリング

英国AVOLITESの総代理店FEのブース。3年前のPLASAで発表されたDiamond4。これまで他のAVO卓ではLTPは全て同じタイムでしか動かせなかったが、D4はパラメーター毎にタイムを個別に入れられるようになった。またエフェクトが弱かった卓だったが、ステップをずらして作るカスタムなエフェクト(アニメート)がこの卓の持ち味で、逆に関数波に頼った他社の卓では作りにくいカラーエフェクトなどが簡単に作成できるようになっている。注目すべきはプリセットフェーダがサブマスターにもなる点である。XPベースで動いているが比較的安定した卓のようである。シュミレーションソフトCaptureとのコネクションもバッチリなようです。フェーダーが付くとどうしてこんなにも高くなるのでしょうか。高級ライブハウスでしか触れない代物。



スペース・エンジニアリング・ワークス

SEWからはVectorブルー!基本的にはキュー番号でレコードしていき、クロスフェーダかGOボタンで再生していくタイプ。現在はまだ3つしかエフェクト波が入っていなかったが、今後のVerアップで波形を変えられるようになるらしい?
キュー番号でメモリーしていく形式でCOMPULITEの伝統を受け継ぎながら、Saber、Sparkにはなかったマルチプレイバック、IFCB個別タイムに対応しているところを見ると、劇場一般照明卓からムービング卓へと、時代の流れを踏んでいると感じられる。内部は工業用リアルタイムOS、VXworksを採用。画面などのインターフェースはWIN XPベースとなっており見やすいのがいいです。WYGが内臓らしい。質問しても説明員が殆ど答えられない状態でよく分らなかった。出てから結構経つのにソフトの完成度があまり高くなく、ちょっち残念。。



シアターエンジニアリング

JANDSの新投入製品。開発スタッフも多国籍、他分野の人間を幅広く集め大革新を狙った、全く新しいコンセプトのムービング卓。テンキーが一切なく全てペンタブレットで打込みを行なうタイプ。画面は横軸にタイムライン、縦軸に灯体パラメータが表示され横に伸びる帯をドラッグすることでタイムを調整していく。またこの卓にはMP3プレイヤーなどが内蔵されており、音楽を再生し、波長を見ながらキッカケの微調整などができる。全てはビデオ編集ソフトと同じ様に、キューを呼び出して編集するのではなく、巻き戻し・早送りでシーンを送り、編集していく方式である。普通のムービング卓でいうCueListが「クリップ」・Cueを「ステップ」と呼ぶらしく、全く新しい考え方の卓!
しかし現在の所は、どこかのキューを短く編集するとその秒数分はぽっかり穴が開いてしまう状態。完全自動のSHOWを作成する場合には良いが、芝居や歌はあるキッカケを起点に、そこから何秒で変わるかという考えでデザインしていくように思うので、この方式に頭を完全に切り替える必要があるのでは?マクロ的な視点でシーンを見る必要があるので、今までの卓に触れてきている日本人には理解しにくいかもしれないと感じた。エフェクト波も現在は5種類しか入っていないが、無限の可能性を持った卓なので今後のバージョンアップに期待です。



Martin Professional

全くノーマークの卓だったが、2004年1月のLighting Product以来、猛烈なスピードでソフトの完成度を高めてきた卓。よく使う必要な機能のみを残し、テンキーの個数を極力抑えた設計になっている。テンキー配置に若干使いにくい配置があるものの、基本的には大きなボタンで使いやすい。ベルトエンコーダは全く使えないが、パラメータが横に並んでいるためタイムを割り付けたり、エフェクトを掛けたりする時に非常に見やすい。一番左側の端にメインGOがあるので、右手で叩けないのがちょっと痛いです。
各社HOG3にしてもVISTAにしても普通はアッと驚く特徴を持っている卓が最近の流れですが、これは特に突出した面白いアイデアはないように思います。本当にムービングを安定して、使いやすくという原点に立ち返ったコンセプトで、きっちりと無難にまとめてきている感じがしました。
エフェクトはかなり完成度が高くなっており、波の種類も多い。また「コンボ」というボタンではPAN/TILTの動きのパターンがかなり多く入っているので、個別にエフェクト波をかける必要がない。卓本体がごついのは2重系のCPUで、中を開けてもらったが、他のムービング卓より圧倒的に中身が詰まっているためである。 今年の秋LondonPLASAでプレイバックウイングが、来年はパソコン卓が出る予定らしい。現在のソフトが8割の完成度という事なので、HOG3かMaxxyzかどちらが先にPC版を出すか楽しみです。

*写真はMartinJapanのブースですが、説明はm-techのブースで受けました。悪しからず。



 最後に。。。
今年も終わってしまいました。WLFが。松村電機の出展見合わせや、各社ブース規模を小さくしている所を見ると、今後の行末はどうなのかっと思うところありです。外国の展示会ではRJ-45を使用する次世代プロトコルであるイーサネットの話で持ちきりですが、日本はまだまだそういったものとは無縁のようですね。松下が辛うじてイーサのネットワークを出展していましたが、次回日本の各社メーカーはイーサを出してくるのでしょうか?まぁどちらにしても私のように小さな現場ばかりの人にはイーサとかあんま関係のない話ですが。。それより安くていいものを出してくださいと切に願うわけで。

 

 


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